株式会社 シグマ様
海外子会社と本社の離れた拠点間で、プロジェクト情報を安全・円滑に管理
株式会社シグマはデジタル一眼レフカメラ、一眼レフカメラ用交換レンズ、その他光学機器を提供している。同社は早くから海外進出し、主要取引の大半が海外というグローバルブランドとして成長している。長年、レンズというイメージングのデバイスを手がけており、デジタル一眼レフカメラを中心とした同社独自ブランドの製品開発にも力を入れている。
さらにプロジェクトの情報共有と効率を高めるため、いままで海外の開発子会社と本社側とでソースコード管理とバグ管理は別管理であったが、これにWebベースのバグ管理/バージョン管理システムである「tracpath」を導入した。
海外子会社と共有して開発効率アップを実現
株式会社シグマの製品開発は、機構設計、回路システム設計・ファームウェア開発・光学設計の各部門がプロジェクト体制で進められる。これまではプロジェクト毎の情報共有や開発をメール中心で行っていた。ただ、メールの場合、記録として残るものの、閲覧するのに手間がかかっていた。
また、日々の業務でやり取りされるメールの流量増加により、「優先的に対応しなければいけない未処理の課題があるのか?」、「対処が完了したのか」、をすぐに確認するためには手間と時間が必要であった。
そこで、同社はtracpathの前身であるcuboを2007年に導入(cuboはイントラネットのサーバーにインストールして利用する事が出来る、バグ管理・バージョン管理システムです)。
さらに2010年1月にクラウドサービスのtracpathを導入し、新たな試みをしている。
導入後、プロジェクトの情報管理と効率が大幅に改善。これまで品質保証部から登録、通知されていた問題点の登録作業が、問題発見者ベースの迅速な登録が可能になった。これにより登録された問題を開発者が素早く認識し、修正に着手するまでの時間を大幅に短縮することが出来た。また、問題点の登録が容易に出来ることもメリットの1つであった。それ以外にも、製品の不具合報告や対応履歴をシステムが管理するため、効率が高まった点があげられる。
さらに同社では、海外の開発子会社とのプロジェクトでも活用している。海外の開発子会社と本社では、異なるバージョン管理システムとバグ管理システムを使用しており、拠点毎の担当者がメンテナンスを行っていた。これを「tracpath」で管理することで、場所が離れた複数拠点から、ソースコードと障害を管理することが出来るようになった。また、SaaS 型サービスにより各拠点でのメンテナンスのための専任担当者が必要なくなった。
海外の開発子会社と開発する場合、時差を考えて作業を行う必要があったが、tracpathを活用することで時差に余り影響されることがなく、拠点ごとにプロジェクトのメンバーが更新や参照作業が出来るようになった。
同社が最も気をつけた点は、セキュリティであった。
このセキュリティ対応について「tracpath」は必要な機能を実現しており、SSL暗号化通信とIP接続制限機能により利用できる拠点の範囲とユーザを制限して運用している。さらに将来は、「海外の開発子会社とのプロジェクトに限らず、協力他社とのプロジェクトにも広げていくことを視野に入れている。」とその利用イメージを小林氏は語る。
導入のポイント
- 本社で利用しているcuboと同じ機能が備わっており、インターフェースが使いやすい
- 暗号化通信、IPアドレスの制限等セキュリティが確保されている
- SaaS型のサービスのため、サーバー自体の管理が委託できる
- 安全かつリーズナブルである
- (cuboを利用してきたメンバーにとって)導入しやすいというメリットがある